整備・修理>ユーザー車検>予約&点検整備編
予約&点検整備編
【予約編】
6月の初めに迫った車検について何から手をつけるか考えをめぐらしていた。先ずはユーザー車検を軽自動車検査協会に予約。予約方法はインターネットから。チケットを申し込む方法に似ている。ちょっとのぞいたつもりでいたが予定していた日はすでに予約がいっぱいになっていた。第2候補も残りわずかに!急いで予約を入れた。
点検整備→予約→持込検査と思っていたのだが、予約→点検整備→持込検査と思った方が良いようだ。
車検は有効期間が満了する1か月前から受けることができ、予約は約2週間先の予約ができるので、予約は早くて有効期間満了日のおよそ1ヶ月半前からできることになる。私の場合だと満了日が6月の初めなので早めに車検を受けようと思えば、4月の中旬から予約はできたことになる。
【点検整備編】
検査日は決まったので次に考えるのは点検整備だ。具体的に何をどうすれば良いだろう?点検整備記録簿に沿って行えば良いのだろうが、具体的な点検方法が不明なことが多い。そこで軽自動車検査協会で購入した点検整備記録簿を詳しく見てみることにした。そして予習を兼ねて不明な用語、点検項目についてはネットで調べてみた。全部で62項目ある。
そしてネットで調べた方法を参考に点検整備記録の62項目について点検を行っていった。
点検の結果及び整備の概要
■かじ取り装置
- ハンドルの操作具合
直線道路を正確にまっすぐ走れるか、ハンドルが引っかかりなくスムーズに回転するか。ジャッキアップしてスムーズに回転するかどうか点検した。 - ギヤ・ボックスの取付けの緩み
ステアリングギアボックスを点検するためにスペアタイヤを受けている鉄板を取り外した。ステアリングギアボックスをボディに固定しているボルト&ナットが緩んでないかを点検するのであるが、ビートはラック&ピニオンなので構造がシンプルなのかボディへの取り付けは上から見えるのは1箇所だけであった。 - ロッド、アーム類の緩み、がた、損傷
フロントタイヤをかじ取りのために左右に動かしているロッド及びアーム類の緩み、がたつき、損傷はないかを目視の他に揺すったり、叩いたりして点検した。 - ボール・ジョイントのダストブーツの亀裂、損傷
中にグリスが詰まっているゴムのカバーに亀裂や損傷はないか。目視だけでなく指で押しつぶして点検する。 - ホイールアライメント
サイドスリップでチェックされる項目。キャンバーとかトーイン、トーアウトなど。計器がないと計測不能。平らな道路でハンドルを取られることなく真っ直ぐに走る事ができればOKらしい。普段真っ直ぐに走っているので問題なし。 - パワー・ステアリングベルトの緩み、損傷
- パワー・ステアリング装置の油漏れ
- パワー・ステアリングのオイルの油量
- パワー・ステアリングの取付けの緩み
ビートはパワステではないので上記の4項目はなし。斜線。
■制御装置
- ブレーキ・ペダルの遊び
→ペダルの踏み始めからブレーキが効き始めるまでのペダルの移動距離が少なすぎないか、多すぎないか。少なすぎるとブレーキの引きずり、多すぎると効きが弱いことになる。 - ブレーキ・ペダルの踏み込んだときの床板とのすき間
→ブレーキをいっぱいに踏み込んだとき床板との間に適度にすき間あるか。すき間がなければブレーキがいっぱいに効いていないことになる。
上記の2項目は、通常の走行で遊びが多すぎて効き始めが遅い、効きが弱いと感じられなければOKと判断して良いらしいので問題なし。 - ブレーキの効き具合
→ブレーキがしっかり効くか、片効きしていないか。
こちらも普段の使用で問題は感じられないのでOKと判断。 - 駐車ブレーキ機構の引きしろ(踏みしろ)
レバーの引き始めから効くまでの移動距離(カチカチというノッチ数)が適切か。通常は2〜3前後ノッチ。引きしろが極端に少なすぎると、レバーを引いていないのに駐車ブレーキがかかっている状態になり、駐車ブレーキがかかったまま走ることになる。レバーを引いてブレーキが効くまでをどう判断すれば良いかだが、私の場合、ジャッキアップして後輪が空転できる状態にして、タイヤに抵抗が感じられるまでレバーを1ノッチずつ引いていった。効き始めまでは3ノッチ、レバーが引けなくなるまでは8ノッチであった。画像はいっぱいに引いた状態。 - 駐車ブレーキの効き具合
→駐車ブレーキが確実に効くか。
普段、坂道でちゃんと止まっているのでOKと判断。 - ホース、パイプの漏れ、損傷、取付状態
全輪のブレーキホース、パイプをチェック。ホースはひび割れなどがないかチェック。 - マスタ・シリンダの液漏れ、機能、摩耗、損傷
液漏れ、機能、摩耗、損傷を点検。
通常2年ごとの交換を勧められているブレーキフルードは、購入時に交換してもらっているので今回は交換なしとする。 - ホイール・シリンダの液漏れ、機能、摩耗、損傷
→ビートはディスクブレーキなのでホイールシリンダは無し。 - ディスク・キャリパの液漏れ、機能、摩耗、損傷
液漏れ、機能、摩耗、損傷を点検。 - ドラムとライニングとのすき間
- シューの摺動部分、ライニングの摩耗
- ドラムの摩耗、損傷
→上記の3項目はドラムブレーキに関することなのでディスクブレーキであるビートは点検なし。 - ディスクとパッドとのすき間
極端に狭く引きずりがないか。ジャッキアップして手で回し、異常な回転抵抗、異音がないかを点検。 - ディスクパッドの摩耗
パッドの残量をキャリパの点検孔から確認。タイヤハウス内は狭くて直接見ることが出来ないのでで鏡を利用。交換してからあまり走っていなかったのか、十分な厚みがあった。画像はリアのディスクパッド。 - フロントは点検孔にあるふた(?)で見えなかったので、スライドピンのボルトを外しキャリパ―のピストン部を上に持ち上げて確認。フロントも十分な厚みがあった。『ビート完全メンテナンスファイル』のパッドの交換が参考になった。
- ディスクの摩耗、損傷
ディスクの表面に極度な摩耗、損傷がないかを目視点検。
■走行装置
- タイヤの状態
空気圧、亀裂、タイヤの溝が少なく(1.6o以下)なっていないか、偏摩耗していないかを点検。
残り溝、偏摩耗ともOK。
(画像はフロントタイヤ) - ホイール・ナット、ホイール・ボルトの緩み
→ナット、ボルトに緩みがないかを増し締めして点検。 - フロント・ホイール・ベアリングのがた
→ジャッキアップしてタイヤを浮かせた状態で、揺すってがたつきがないかを点検。 - リア・ホイール・ベアリングのがた
→リアにはホイールベアリングは使われていないので点検なし。
■緩衝装置
- サスペンション取付部、連結部の緩み、がた、損傷
ショックアブソーバ、サス、アーム、リンクの緩み、がた、損傷及びゴムジョイントの状態を点検。目視点検の他に触ったり、プラスティックハンマーで叩いたりして確認した。 - ショック・アブソーバの損傷、油漏れ
可動部を中心に、損傷やオイル漏れがないかを目視で点検。 - 旧車時代のシャシーブラックがあったので、アームとショックの見える部分だけを塗ってみた。シャシーブラックを塗ると車検らしくなる。
■動力伝達装置
- クラッチ・ペダルの遊び
→ペダルの踏み始めからクラッチが切れるまでのペダルの移動距離が少なすぎないか、多すぎないか。 - クラッチ・ペダルの切れたときの床板とのすき間
→クラッチが切れたときに床板との間にすき間があるか。すき間がない場合はクラッチが切れていないことになる。 - トランスミッション・トランスファの油漏れ
油漏れがないかをチェック。油が混ざった汚れが付着していた。オイルを入れた時に拭きとれなかった油に土埃が付いたのかもしれない。汚れはウェスで落としておいた。要経過観察。 - トランスミッション・トランスファの油量
フィラプラグを抜いて油量をチェックするのであるが、硬くて手持ちの工具では緩めることができなかった。購入時に交換されているので油量はOKと考える。 - プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフトの連結部分の緩み
ビートはMRなので後輪のドライブシャフトを点検することになる。連結部分に緩みがないかを点検。 - プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフトの自在継
手部のダスト・ブーツの亀裂、損傷
ドライブシャフト左右各2箇所のダストブーツに亀裂、損傷、劣化がないかを目視及び触って点検。汚れてはいるが劣化などは見られなかった。 - ディファレンシャルの油漏れ
- ディファレンシャルの油量
→ビートのデフはミッションケース内にあるので上記の2項目の点検はなし。
■電気装置
- ◎点火プラグの状態
先端が異常に汚れていないか、摩耗していないか。ガスケット部の損傷、碍子部のひび割れ、プラグコードとの接続部の状態はどうか。プラグは購入時に交換されている。多少汚れているようであるが問題なし。 - 点火時期
→タイミングライトで規定位置通りかを確認するらしいが、タイミングライトは持っていないのでこれを用いての点検は出来ない。通常の使用でノッキングが発生していなければ正常と見なして良いらしい。 - ディストリビュータのキャップの状態
ディストリビュータの外見及び内部の接点の状態を点検。特に異常なし。ついでにローターも手で回して遊びの範囲で軽く動くことを確認した。 - バッテリのターミナル部の接触状態
ターミナルが緩んでいないか、錆びていないか。 - 電気配線の接続部の緩み、損傷
コードが破れていないか、コネクタがしっかり差し込まれているか、クランプから外れていないかなどを点検。
■原動機
- 排気の状態
→テスターによって測定される。これは実際に車検で不合格になったら民間のテスターにて見てもらう予定。 - エア・クリーナ・エレメントの状態
購入時に交換してもらっているのできれいだった。 - エンジン・オイルの漏れ
エンジン本体及び周辺にオイル漏れがないか目視や触ったりして点検。オイル漏れは見られなかった。画像はオイルフィルター周辺。 - 燃料漏れ
燃料タンク、燃料パイプ、燃料ホースなどの燃料が通る経路で漏れがないか目視で点検。 - ファン・ベルトの緩み、損傷
ベルトのたわみ量は指で押して異常にたわまなければ良しと判断。損傷については裏返しても点検。古さは感じられなかった。 - 冷却装置の水漏れ
ラジエータ、ラジエータホース、ラジエータキャップなどからの水漏れがないかを目視点検。ラジエータのドレンプラグ根元からわずかながら水漏れ発見。人差し指の先が濡れるほどであるので、落下して地面を濡らすことがなく外見からでは気が付かなかったのだと思う。もともと水滴が出るような構造になっているようでもあり、今回はこのまま様子を見たいと思う。
■ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置
- ブローバイ・ガス還元装置のメーターリング・バルブ状態
- ブローバイ・ガス還元装置の配管の損傷
- 燃料蒸発ガス排出抑止装置の配管等の損傷
- チャコール・キャニスタの詰まり、損傷
- 燃料蒸発ガス排出抑止装置のチェック・バルブの機能
- 触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付けの緩み、損傷
- 二次空気供給装置の機能
- 排気ガス再循環装置の機能
- 減速時排気ガス減少装置の機能
- 一酸化炭素等発散防止装置の機能
→本番では排気ガス検査でチェックされる項目。素人が理解して点検することは難しい項目らしいので本番でチェックを受け、不合格なら民間テスターで見てもらおうと思う。
■付属装置等
- エグゾースト・パイプ、マフラの取付の緩み、損傷
各部を目視、触指、及びプラスティックハンマで叩いてチェック。 - マフラの機能
→アイドリングだけでなく回転を少し上げて排気漏れなどがないかをチェック。異常なし。 - 車枠、車体の緩み損傷
→ドア、ボンネット、エンジンフードの取付状態、各パネルの溶接個所の状態をチェック。特に異常なし。
この他、点検整備記録簿には記載されていないが、ヘッドランプ、ブレーキランプ、ポジションランプ、ハザードランプ、ターンシグナルランプ、番号灯、バックアップランプが正常に点くか、ワイパー、クラクションが作動するかを点検した。
以上が点検整備記録簿に沿って行った点検項目である。ミッションケースの油汚れ及びラジエータのドレンプラグからのわずかな水漏れが確認されたが、この他には特に問題になるような箇所は見つからなかった。 点検をしながらブラシを使って汚れ落としをしていった。そしてせっかく汚れを落としたのでサスペンションとアームの一部は手持ちのシャーシブラックをスプレーした。これだけでかなり車検らしくなった。点検整備といっても素人である私には整備と言えるほどのことはできない。しかし車の下にもぐってブラシを使って土埃を落とすことで車の状態が把握でき、点検整備記録簿も自信を持って記入できた。これで準備が整い、持込検査への不安もなくなりつつある。